塾長ブログ

冬休みには親子で読書を!

    塾長ブログ vol19


    あっという間に師走に入りました。
    師走とは、「師が忙しく走りまわる時期」という字を書きますが、
    「師」とは、「僧侶が仏事のために走り回る」が最有力の説のようです。

    今日は、読書のお話をします。
    忙しい毎日の中で、落ち着いて読書ができる豊かな時間を確保するのは本当に大変ですが、
    年末年始、お子様の学校がお休みの期間には、ぜひ「読書」の時間をたっぷりとっていただけたらと思います。
    中学受験や高校受験の読解で苦戦しないための基礎作りとして、
    語彙力や一般常識の不足、文脈把握力を補うには、読書が有効なのは言うまでもありません。
    問題を解いて点数を取る段階は、また別のステージ(別のトレーニング)ですが、背景知識を豊かにする、スピードをもって読解できる力は、日頃の文章への親しみ度合いでかなり差がつきます。

    中学受験の最難関の1つ「麻布中学」は、6000~8000字の長い小説を出題し、ほとんどの設問を記述式で解答させます。
    読む速度が遅いと、試験時間内にすべての設問の解答が終わりません。
    分速600字以上を、正確に読む力が必要です。
    さらに、
    自主・自立を大事にしている学校だけあって、複数の登場人物の心理を深く読み込まなくてはならない文章が選ばれます。
    私自身が、毎年、どんな文章が出題されたか、注目している学校の1つです。
    入試の出題文が出題された本を、読書するのは、本選びの1つの基準になります。
    入試の場合は、その学校の理念を知ることにもなります。

    入試に頻出の題材として、
    アルペの保護者会では、
    重松清さん
    あさのあつこさん
    森絵都さん
    などの小説を読むことご紹介してきました。
    毎年、必ずどこかの学校で出題される作家であり、世間一般でも非常にファンの多い作家でもあります。

    今日は、1冊本を紹介します。
    安藤みきえ 「夕暮れのマグノリア」
    とっても優しくて、美しいショートストーリーで構成された小説です。
    中学生女子の人間関係や微妙な心理葛藤を描いています。
    麻布中では「循環バス」の章が出題されました。
    集団で仲間外れにしているクラスメイトに、自分が駆け寄ったら、今度は自分が仲間外れにされるのはわかっている。
    それでも、一歩前に出て行動を起こせない自分は、弱い人間なのか……。
    雨で曇ったバスの窓ガラスに映る自分の顔が、意地悪に映っている。
    それをみて、このままではだめだと一歩を踏み出す……。
    限られた入試時間に、しかも男子校で、こんなに難しい中学生女子の心情説明を記述式解答で求めるのか!
    と驚きますが、アルペで指導してる6年生や中学生には、ぜひ解いてほしくて、毎年私の授業でも扱っています。
    読書は、自分の経験にないことを、疑似体験できる最高の機会です。
    深い作品に出合うと、ついつい生徒のみんなに話したくなります。
    「みんなはどう思う?どう考える?」と問います。
    私以上に本の虫である娘にも、読んだ題材の内容をよく話します。
    私と娘とでは、受け止め方が違うことも多々あり、そこで新しい発見があります。
    とても楽しい時間です。
    この冬休み、ぜひ親子で同じ本を読んでみてください!

    高校受験を目標にされる場合は、
    夏目漱石
    山本有三
    芥川龍之介
    志賀直哉
    など、少し前の時代の作品も大事です。
    高校受験では(大学受験でも)かなり頻度が高く出題されますが、時代背景が違うせいか、苦戦するお子さんが少なくありません。
    次回のブログでも、また続きをご案内しますね。
    冬休みは豊かに読書を!

    12月9日
    アルペ記述読解教室
    塾長 たかぎ

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