保護者の方からいただくご質問に、「何の本を読ませたらいいか」というものがよくあります。
その都度、お答えしているのですが、
当然ですが、年齢や目的によって全然答えは変わります。
幼稚園や1年生のうちは、図鑑や絵本にとにかくたくさん触れるのは効果的ですよね。
新しい刺激を柔軟な脳でたくさん吸収します。好きな分野を徹底的に!というお子さんも素晴らしいですよね。
恐竜博士や鉄道博士、植物博士……。
中学受験に向けて、小説(物語文)を読んでおきたい場合は、
「頻出」する題材をご紹介することも多々あります。
重松清さん
森絵緒さん
あさのあつこさん
などの頻出作品をご紹介します。
これらの作品は、
アルぺの本棚にも並んでいます。
本が好きなお子さんならば、少し難しい人間関係のものでも、3年生4年生くらいから没頭して読むかもしれません。
ちなみに、大変読書家で知られている芦田愛菜さんは、
3年生の時(9歳の時)に「山中伸弥先生に人生とIPS細胞について聞いてみた」
を読破したそうです。
専門用語も出てきて、なかなか難しい本です。(恥ずかしながら、最近私も読みました。)
お子さんにとっては、まだまだ理解できないものもあるのですが、本の中で人生経験を積んでいくということになるわけですから、読む本に「まだ早い」なんてことはないんですよね。
ちなみに、2020年の中学受験を振り返ると、
かなり最近の新しい本からの出題もみられます。
●湊かなえ『ブロードキャスト』:豊島岡女子中
●宮下奈都『つぼみ』(「なつかしいひと」):武蔵中
●朝比奈あすか『人間タワー』:早稲田実業中
どれもファンが多い作品ですよね。
保護者の方もぜひ、読んでみてください。
このレベルの世界観まで理解できるような背景知識をつけておく必要があるな、
という確認もできます。
ただ、気を付けなくてはいけない点は
「本を読んでいること」と「読解で合格点が取れること」
はイコールではないということです。
一度読んだ本だからと、読み方が雑になったり、出題場面で切り取られていない内容まで記述の答えに入れてしまい失敗するお子さんもいます。
話の展開がわかっていることは、有利になることばかりではありません。
あくまでも、目の前の文章を指示通り誠実に読み、「正確に解く・答える」ことにつきます。
すべての科目に共通していますが、国語の読解も「自己流」のお子さんが一番伸びません。
「低学年では国語が得意だったのに、高学年になったらできなくなった」というお子さんは、
「なんとなく」「自己流で」解いてわかってしまっていたけど、きちんとセオリーをふんでいない場合が多いのです。
指示語がさすものは何か、
接続詞の役割、
表情や動作から把握できる心情を読み取る力
ベースとなる語彙力そして読み取ったものを正確に記す記述力
一朝一夕にはいきません。
千里の道も一歩から。これからも楽しく豊かな学びを!
9月28日
アルぺ記述読解教室 たかぎ