アルペの記述読解居室の授業には、国語辞書を持参します。
1年生のうちから「辞書を使いこなせること」は、国語力が伸びるかどうかと強い関係があります。
実際に、読解や語句が苦手なお子様は、高学年になっても非常に語彙力が乏しい場合が少なくありません。
日常的に使う言葉も、年齢より幼い言葉遣い、または論理的な話し方が苦手な場合も多く見られます。
実際に以下のようなデータがあります。
2012年に、首都圏の辞書引き学習を継続実施している小学校で国語力調査を実施。
国語学力調査の基礎力・活用力共に辞書引き導入校の平均点が10ポイント高いという結果が出た。
半年間の小学生の読書量にも差が出ていました。
辞書引き学習を取り入れている学級
平均25.3冊
辞書引き学習を未実施の学級
平均19.7冊
実際に「言葉を多く知っている」ことで
読解できるレベルが上がる
伝えるチカラ(コミュ力)が高くなる
思考力が育つ
そして、「分からないことを調べる習慣がつく」のです。
これがすべての学びに向けての財産。
本当に大事!
よくできるお子さんは、「調べる」のが的確でスマートです。
処理能力が高い!
処理能力=学力
低学年のうちに、「処理能力」は大きく開いています。
高学年になると、字を書くスピード、準備のスピード、メモを取るスピード、計算スピード、読むスピード…….。
すべてにおいて、かなりの差になります。
ただ「速い」ことが大事なのではありませんが、「的確に早く」することは、それだけ密度をあげられることは言うまでもありません。
辞書を引くことを、日常に取り入れていきましょう。
また、多くの方が勘違いされていますが、
「知らない言葉」を調べるだけが辞書ではありません。
もちろん、「知らないから調べる」のですが、
「知っている言葉を深める」ために、使うことで、表現力や思考力がさらに伸びるのです。
だから、私たち大人が辞書を引くことも、非常に有意義で楽しいことです。
我が家の娘は、小学校低学年の時に「カタカナ語辞典」に夢中になった時期がありました。
持ち歩く本の中の1冊が、「カタカナ語辞典」。
擬態語・擬音語をはじめ、外来語が出ている「カタカナ語」には、大人でも上手に説明できないものもあります。
低学年の子どもからみると、発音すると面白いことばがちりばめられていたのでしょう。
気に入った言葉を声にしては、「面白がって」いました。
しばらくの間、一緒に出掛けるときには、辞典を片手にした娘からの「出題攻め」でした。
自分が面白いと思ったものを、次々と私に出題するのです。
結構鍛えられました(笑)
わかっていても、うまく説明できないものや、新しい発見がたくさん。
言葉は無限ですから、尽きることはありませんしね。
今思い出しても「楽しい時間だったな」と思います。
よく「お勧めの辞書」について聞かれます。
基本的には、学校の指定がなければ、お子さんは書店で手に取って「お気に入り」を選ぶのが一番です。
自分が常に勉強のパートナーとするものですから、近くに置いておきたいものでなくてはなりません。
もちろん学年相応、お子さんの成長段階に似合うものをお勧めします。
せっかくなので、いくつか紹介しておきますね。
【小学生】
三省堂 例解小学国語辞典 第七版
小学館 例解学習国語辞典 第11版
【中学生】
三省堂 例解新国語辞典 第九版
大修館書店 明鏡国語辞典 第二版
もちろん、小学生でも大人の新聞を読むお子さんもいるように、年齢では区切れるものではありませんから、個々に手に取ってみて選ぶことをお勧めします。
新しい学年になりました。
引き続き「豊かな学び」をしていきましょう!
2022年4月8日 アルペ記述読解教室 塾長 髙木恭子